Business 02

電子ビーム溶接

高い精度を誇る金属接合

電子ビーム溶接

(EBW Electron Beam Welding)


電子ビーム溶接とは加速させた電子の束(電子ビーム)を真空中にて製品に当てて、発生する熱を利用して溶接や表面改質を行う加工方法です。電子ビーム溶接は収束性の良い熱源を真空中で加工する事により、より少ない熱量で深くキーホールを成形出来る為、入熱量が少ない溶接が可能となります。

電子ビーム溶接の原理


電子ビーム加工は加速させた電子の束(電子ビーム)を金属等の製品に当てて、発生する熱を利用して溶接や表面改質を行う加工方法です。

加工室上部に電子ビームを発生させる電子銃という装置があります。装置内部ある陰極を高温に加熱した状態にして電子を飛び出させ、陽極にて電圧を掛けて電子を加速しその電子を収束させて電子ビームとします。

加工室は電子を拡散させない為に真空状態とする必要があり、製品に衝突すると電子の運動エネルギーが熱エネルギーに変わり発熱します。 その熱を集中させれば溶接、分散させれば表面改質が行えます。

電子ビーム溶接はEBW(Electronic Beam Welding)といい電子ビームを当てて製品内部でキーホールを形成して移動させる事により後方に溶融層ができて溶接します。電子ビームは集束性が良い為、少ない熱量でキーホールが奥深くに形成する事ができ、細く深い溶融層ができるので受熱が少ない溶接も可能です。

(a)溶融気化 電子ビーム蒸発物質 キーホール 溶融部 (b)後方への溶接 溶融層 母材部 溶融凝固帯(溶接部)

電子ビーム溶接の用途


POINT 01

低歪接合

完成品同士の結合によるコスト削減、機能性向上

歯車・精密シャフト・ドライブシャフト等

POINT 02

微細接合

小さく微細な製品にも溶接可能

電子部品・薄肉パイプ・ダイヤフラム等

POINT 03

表面改質

熱源を広域に当てて、部分的な表面改質が可能

自動車部品・エレベーター部品等

電子ビーム溶接の特徴


■ 高品質
・電子ビームは焦点を合わせてエネルギー密度を高める事ができる為、時間や熱領域が少なくて済み低歪み薄膜溶接も可能。
・長焦点、ノズルレスのため狭く奥まった製品形状に電子ビームを照射して局部溶接や局部表面改質が可能。
・加工室内を真空状態で加工する為、酸化物や金属蒸気の付着が軽減されて製品が綺麗な状態で加工可能。

■ 高信頼性
・電子ビーム加工室中は真空雰囲気のため安定した接合が可能。
・電極へのフィードバック制御のため出力安定性は1%以下。
・電子ビームでは溶け込みが深い溶接が出来る為、強度に余裕がある接合となります。

■ 高生産性
・低歪である為、単体で仕上げ加工済み製品同士の接合が可能であり、結果生産性向上に繋がる事も多い。
・高速偏向機能により電子ビーム移動速度の高速化が可能な為、量産時の生産性が高くなる。
・他の溶接と比べて同じ溶け込み溶接をするにも短い時間で済む為、量産時の生産性が高くなる。

©江洋圧接 株式会社
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