高い接合強度と信頼性を誇る金属接合
(摩擦溶接 FW Friction Welding)
摩擦圧接とは摩擦熱と圧力を使用して金属接合する加工技術となります。一方の金属を回転させながら他方の金属と高い圧力を掛けながら接触させると摩擦熱が発生します。接触面が発熱している際に一層高い圧力を掛けながら回転を停止させると2つの金属が接合します。
摩擦圧接の原理
摩擦圧接とは摩擦熱と圧力にて2つの金属を結合させる加工です。
金属は規則的に配列している原子で構成され、全体として強固な結晶体で有ります。隣接する原子間ではお互いに引き合う力と反発する力が働いており、基本平衡状態が保たれております。金属を引っ張り平衡が大きく崩れると破断し、逆に個別の金属結晶を引力が強く作用する位置より近接すると接合します。これが摩擦圧接の基本原理です。
摩擦圧接では、摩擦によって発熱しながら表面部がバリとして外に排出されて接合界面が清浄な状態となります。そこで金属表面同士が高温・高加圧状態で接する事により原子の拡散(お互いに行き来する事。この場合は接合に至る)が進んで接合します。
摩擦圧接は大きく分けて摩擦(発熱)工程とアップセット工程の2つの工程で成り立っております。
摩擦工程(④⑤)はチャック側の素材を高速回転させながら素材同士を接触させて加圧し、摩擦熱を発生させながら圧接部の接触面をバリとして外に排出するまでを言います。
アップセット工程(⑥⑦)はチャック側のスピンドル回転を停止しながらより高い圧力で加圧し、2つの素材の拡散現象により結合させる工程です。
1 | チャック締め | |
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2 | クランプ締め | |
3 | テーブル前進 スピンドル回転 |
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4 | テーブル遅送り | |
5 | 素材接触 P1加圧 |
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6 | スピンドル急停止 P2加圧 |
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7 | テーブル停止 チャック開き |
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8 | テーブル早戻し | |
9 | テーブル停止 クランプ開き |
摩擦圧接の用途
POINT 01
ステンレス・鉄・銅等異材同士の結合よるコスト削減、機能性向上
モーターシャフト・エンジンバルブ・ドリル等
POINT 02
径の違う材料接合や半製品の結合による材料削減、工程減少
フランジ軸・ボールジョイント・ホース継手等
POINT 03
パイプやイタ材の結合による軽量化、加工困難な形状の製作
ゴムローラー・クッションピン・プレート軸等