江洋圧接 株式会社 | 摩擦圧接 電子ビーム 溶接

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2025.10.23

金属接合の話 ②材質的結合とは


弊社は摩擦圧接と電子ビームの受託加工を営んでおります。

両加工とも金属接合の一種であり、接合については日々考えております。加工屋の観点から金属接合のとりとめの無い話をしていきます。


前回機械的締結と化学的結合の話をしましたので今回は材質的結合の話を致します。

材質的結合は両母材を材料的に結合する方法であり、材料を強固に結合できる方法になります。一般的に金属を溶接、結合するとなると材質的結合を指す事が多いと思います。大きく分類すると母材を溶融させる溶融接合(溶接)と母材の溶融をあまり伴わない界面結合に分かれます。

材質的結合とは何材料同士が原子間引力でしっかり結合している状態になります。共有結合やイオン結合、金属結合がありますが、金属同士の結合であれば特に金属結合が多く見られます。かなり簡単に言いますと、金属の2つの原子同士の距離が小さくなると引かれあう性質があり、距離が近くなると引力が増えていきます。しかしさらに距離が近くなると引力は急激に減少し斥力に転じます。両原子は引力も斥力も作用しない距離で安定します。これが金属結合の状態であり、結合の手が結ばれた状態となります。材料表面の原子が結合の手で結ばれている状態となっていると金属接合が達成されていると考えられます。。

只、金属表面は他の物質や吸着ガスがあったり、凹凸があったりする為原子同士が近接出来ず容易には接合されない状態であります。材質的結合はこれらの要因を除去し、結合の手が結ばれる状態にする事で達成されます。

材質的結合で金属表面を近接する方法で大まかに分けると、溶融接合、液相接合、固相接合の3つに分類する事が出来ます。いずれの接合方法も材料の表面を清浄化して表面を平坦にするか隙間を埋めて、何等かのエネルギーを加えて活性化する事で接合が出来ます。表面の清浄化と近接させ方によって様々な金属接合の方法が出来、割れが起こりにくい接合やブローホールの出来にくい接合、量産性が良い接合、異材が得意な接合と幅広い工法が考えられています。

 

次回は溶融接合の説明や種類についてお話します。


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