江洋圧接 株式会社 | 摩擦圧接 電子ビーム 溶接

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2025.8.21

金属接合の話 ①金属接合は何がある?


弊社は摩擦圧接と電子ビームの受託加工を営んでおります。

両加工とも金属接合の一種であり、接合については日々考えております。今回は加工屋の観点から金属接合のとりとめの無い話をしていきます。


『この金属製品同士を何とか接合出来ないか』

というような漠然としたご相談をいただく事も多くあります。もちろん摩擦圧接や電子ビームの検討はさせていただきますし、相談自体が有難いのですが、他の接合の方がメリットがある事も多々あり、出来るけど他の方法の方が良いのでは等の回答しております。正直もう少し前の段階で相談いただければと思う事も多々あります。又図面で接合方法が指定されている際にはこちらの接合方法が良くても、図面変更が難しい場合も多くもったいないなと思っています。様々な金属接合の良い点、悪い点をもっと広く知っていただけると、弊社のような金属接合業者も非常に助かります。

金属接合を大まかに分類すると機械的締結、化学的結合、材質的結合の3つに分かれると思います。

①機械的締結  金属同士を外部からの物理的な力(摩擦や変形等)によって接合する方法です。ボルトやリベット、圧入、カシメがあります。ボルトは金属だけでなく木やプラスチック等あらゆる物を接合する方法で非常に便利ですよね。カシメも金属だけではなく木でも昔から使われている通り非常に汎用性が高い接合ですね。又外せば元の通り簡単にバラバラになる点も便利な点ですね。熱影響もそれほど考えなくて良い点もいいですね。デメリットとしては1番は強度面で弱くなる点です。ボルト締めはボルトの強度が接合強度となりますし、又どうしても応力が集中してしまいひび割れや破損に繋がりやすいです。錆や腐食も起きやすい点も大きなデメリットです。Oリングもありますが、防水性や気密性がどうしても低くなりやすいですね。只金属接合では気軽で一番最初に検討されがちかと思いますし、自分の場合も最初に頭に浮かんで、強度面や信頼性、形状や重さの点でどうしても厳しい時に初めて他の結合方法を探します。

②化学的結合  金属同士を接着剤にて化学的や物理的な力で結合する方法です。接着剤が金属表面の凸凹に入り込んでアンカーの役割を果たして結合する機械的な力と、接着剤と金属が近接する事による共有結合や分子間力による化学的な力によって結合するそうです。子供の頃に最初に物同士を結合させるのは工作の時に使用したのりだったからか、接合といえばで最も創造しやすいですね。部品の形状を問わない事も多く材質も問わない為、一番お手軽で使いやすいのでは無いでしょうか。デメリットとしては接合強度が低くなりやすい点と温度や湿度等の環境の変化に影響されやすい点では無いでしょうか。特に金属同士の結合ではどうしても高い強度や幅広い環境の変化に対応が必要であり、自分はあまり使う事が無いです。簡単にくっつく半面、すぐ剥がれてしまうイメージがあるかもしれません。ただ昨今ではより良い接着剤が開発されているかと思いますので、うまく使用すれば非常に便利かもしれませんね。

③材質的結合  金属材料を溶融したり、熱や圧力を掛けたりして結合する方法です。基本的には金属同士が金属結合した状態で接合している為、高い接合強度が得られやすいです。いわゆる溶接から圧接、ろう付等があり様々な種類の加工方法があります。

次回は材質的結合の種類についてお話します。


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